トップ電気工事 › 電線の許容電流 計算

電線の許容電流 計算ツール(電流減少係数・周囲温度補正つき)

電線の太さ、電線管に収める本数、周囲温度を選ぶだけで、電技解釈146条の許容電流電流減少係数温度補正係数を掛けた実際の許容電流を計算します。必要な電流から電線サイズを逆算するモードと、主要サイズの早見表つき。

最終更新: 2026-09-12 / 計算はブラウザ内で完結し、入力値は送信されません

A
条件を選ぶと許容電流が表示されます
サイズ選定は許容電流と電圧降下の両方で
許容電流を満たしていても、こう長が長ければ電圧降下でアウトになります。逆も同じで、答えは「両方を満たす太い方」。減少係数や温度補正の元表を現場で引くなら、内線規程を手元に。実際に何A流れているかはクランプメーターで測るのが確実です。

許容電流とは

許容電流は、その電線に連続して流しても絶縁被覆が許容温度を超えない電流の上限です。電線に電流を流すと導体の抵抗でジュール熱(I²R)が発生し、放熱とつり合ったところで温度が決まります。許容電流を超えると被覆が許容温度(IVなら60℃)より高温になり、可塑剤の揮発による硬化・ひび割れといった絶縁劣化が進み、最終的には短絡や発火につながります。一度劣化した被覆は元に戻らないため、「たまにしか超えないから大丈夫」は通用しません。

許容電流は電線を守るための値です。負荷側の機器を守るのは配線用遮断器(ブレーカー)の役目で、電線の許容電流はブレーカーの定格以上である必要があります。

計算式と3つの係数

許容電流 = 基底の許容電流(146-1表) × 電流減少係数(146-2表) × 周囲温度補正係数(146-3表)
146-1表は「軟銅線・がいし引き・周囲温度30℃」での値。管に収める・周囲が暑いという条件は、この基底値に係数を掛けて減らすかたちで反映します
単線(直径mm)より線(断面積sq=mm²)
太さ許容電流太さ許容電流
1.6mm27A2sq27A
2.0mm35A3.5sq37A
2.6mm48A5.5sq49A
3.2mm62A8sq61A
14sq88A
22sq115A
30sq139A
38sq162A
50sq190A
60sq217A
80sq257A
100sq298A
125sq344A
150sq395A
200sq469A
250sq556A

電技解釈146-1表(600Vビニル絶縁電線ほか、軟銅、がいし引き配線、周囲温度30℃以下)。太さが2倍になっても許容電流は2倍にならず、おおむね断面積の0.6〜0.7乗で増えます。表面積(放熱)より断面積(発熱)の増え方が速いためです。

電流減少係数(146-2表)

同一の管・線ぴ・ダクトに複数の電線を収めると、互いの熱で温度が上がり放熱も妨げられます。収める本数に応じて次の係数を掛けます。がいし引きのように空気中に露出している配線には掛けません(1.00)。

同一管・線ぴ・ダクト内の電線数電流減少係数2.0mm(35A)の場合
3本以下0.7024.5A
4本0.6322.1A
5〜6本0.5619.6A
7〜15本0.4917.2A
16〜40本0.4315.1A
41〜60本0.3913.7A
61本以上0.3411.9A
がいし引き(管に収めない)1.0035.0A

中性線・接地線のように常時電流が流れない電線は本数に数えない扱いが一般的ですが、条件によって判断が分かれます。迷ったら多い側(係数の小さい側)で見ておくと安全側です。

周囲温度による補正(146-3表)

周囲温度が30℃を超えると、導体が同じ温度に達するまでの余裕が減るため許容電流が下がります。補正係数は絶縁体の最高許容温度との差の平方根で求めます(30℃以下は1.00)。

絶縁体最高許容温度補正係数(θ=周囲温度℃)40℃50℃
ビニル(IV・VVFなど)60℃√((60−θ)÷30)0.820.58
耐熱ビニル・ポリエチレン75℃√((75−θ)÷45)0.880.75
架橋ポリエチレン(CV等)90℃√((90−θ)÷60)0.910.82

例: IV線の5.5sq(49A)を4本まとめて管に収め、周囲温度40℃の天井裏に通す場合 → 49 × 0.63 × 0.82 ≒ 25.2A。基底値の約半分まで落ちます。周囲温度が絶縁体の最高許容温度以上になると理論上まったく流せないため、そのような場所では耐熱電線に変更します。

早見表: 主要サイズの許容電流(IV・周囲温度30℃)

VVFケーブルの許容電流(参考)

VVF(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル 平形)はシースの中に導体がまとまっているため、同じ太さでもIV線より許容電流が小さくなります。心数が多いほど小さくなります。

導体の太さ2心3心参考: IV(がいし引き)
1.6mm18A15A27A
2.0mm23A20A35A
2.6mm32A27A48A

周囲温度30℃の目安値です。VVFの許容電流はメーカーのカタログ値・内線規程1340-3を優先してください。本ツールの計算はIV線などの絶縁電線(146-1表)を対象としており、VVFの値は計算に使っていません。

電圧降下と許容電流の両方を満たす太い方を選ぶ

電線の太さを決める基準は2つあります。許容電流は電線自身の温度上昇の限界、電圧降下は負荷端の電圧が下がりすぎない限界です。短距離・大電流の回路は許容電流で、長距離・小電流(特に100V回路)は電圧降下で決まることが多く、答えは常に両方を満たす太い方になります。許容電流だけ見て細い電線を選ぶと、現場で電圧が足りずやり直しになります。

電圧降下のほうは電圧降下 計算ツールで、内線規程の許容値(こう長別2〜7%)の判定と必要断面積の逆算ができます。このツールで出した許容電流と突き合わせて、太い方を採用してください。

よくある質問

2.0mmのIV線に何A流せる?

電技解釈146-1表で、2.0mm(直径2.0mmの軟銅単線)のIV線をがいし引き・周囲温度30℃で使う場合の許容電流は35Aです。ただし電線管・線ぴ・ダクトに収めると電流減少係数が掛かり、3本以下なら35×0.70=24.5A、4本なら35×0.63=22.05Aになります。周囲温度が30℃を超える場合はさらに温度補正係数を掛けます。

電流減少係数はなぜ掛ける?

電線を管やダクトに収めると、電線自身が出したジュール熱が逃げにくくなり、同じ電流でも導体温度が高くなるためです。収める本数が多いほど熱がこもるので係数は小さくなり、146-2表では3本以下0.70から61本以上0.34まで7区分が定められています。がいし引きのように空気中に露出している場合は掛けません(1.00)。

周囲温度40℃だと許容電流はどれくらい下がる?

IV線(最高許容温度60℃)なら √((60−40)÷30) ≒ 0.82 で約18%減です。50℃では √((60−50)÷30) ≒ 0.58 で約42%減。架橋ポリエチレン(CV等、90℃)は √((90−θ)÷60) なので同じ40℃でも約0.91と下がり方が緩やかです。夏場の屋根裏・盤内・ボイラー室などは40℃を超えることがあるので要注意です。

VVFとIVで許容電流が違うのはなぜ?

IVは絶縁電線1本の値(146-1表)で、がいし引きなど放熱の良い条件が前提です。VVFはシースの中に2心・3心の導体がまとまって入っているため互いの熱で温度が上がりやすく、同じ1.6mmでもIVの27Aに対しVVF2心18A・3心15A程度が目安になります。VVFはメーカーのカタログ値や内線規程1340-3の値を使ってください。

[広告枠: AdSense レスポンシブ]

本ツールは電気設備技術基準の解釈146条の表に基づく概算です。実際の設計はケーブルの種類・敷設条件・高調波・周囲の熱源などを考慮し、電気主任技術者・設計者の判断でご確認ください。